イスタンブール

朝食 60,000トルコリラ
トプカプ宮殿 245,000トルコリラ
ハレム 100,000トルコリラ
切手×2 80,000トルコリラ
テレカ×2 320,000トルコリラ
鯖サンド 50,000トルコリラ
リモナタ 5,000トルコリラ
絵葉書 10,000トルコリラ
フィルム×2 320,000トルコリラ
パン、水、コーラ 80,000トルコリラ




朝食 メルジメッキチョルバス、パン、チャイ
昼食 鯖サンド リモナタ
夕食 へんなピザパン、コーラ



昨日と同じく、ホテルのお向かいのお店に朝ごはんを食べに行った。
今日は違うものに挑戦しようと思っていたのに、店のおじさんは私の顔を憶えていて、すぐさま
「メルジメッキチョルバス?」と聞いてきた。つい、「うん」と答えてしまう気弱な私……。
まぁ、ここのスープおいしいからいいんだけど。
パンはなぜか昨日の半分だった。もしかして昨日はサービスしてくれてたのかな?




そして昨日同様、体ぽかぽかになって小雨の降る中トプカプ宮殿に向かう。
雨のせいか昨日よりぐんとじゅうたん屋に声をかけられる回数が少ない。
道行くお兄さん(じゅうたん屋にあらず)に「こんにちは」と声を掛けられて「こんにちはー」と返事をしていたら、斜め後ろを歩いていた東洋人が「あれ?」という顔をする。
「日本の方ですか?」と聞くと、やっぱりそう。
彼はモロッコから今日イスタンブルに着いたばかり、との事。
私がじゅうたん屋さんと
「どこからですか?」
「香港でーす」
「(私が持っている「地球の歩き方」を指さしながら)香港の人は日本語読めないと思うけどなぁー?」
などと会話していると、「あまい!!」と言われてしまった。
ロッコの客引きはもっとしつこく粘っこい、と。
イスタンブルでさえもううんざりなのに、そんなんじゃモロッコは無理だなぁと思う。



それから、彼は宿探しに行くとのことだったので別れトプカプ宮殿へ。
まず、ハレム。思ってたより地味な感じ。そして宝物、献上品の数々。こっちは超どハデ。
コーヒーカップの持ち手にまで宝石ちりばめたりして、洗う時ぽろっととれたりなんかしたらどうするんだろ。
日本の伊万里とかもあった。



宮殿内にレストランがあったので行ってみたが紅茶50,000リラって通常の5倍…。雰囲気も超高級そうなのでメニューだけ見てやめた。
それから金角湾とボスポラス海峡が見えるバグダッドキョシュキュへ。
ちょうど12時15分。イスラムのお祈りの時間で四方からアザーンが聞こえる。
雑然とした街を眺めながらじっとその声を聞いてたら不思議な気分になった。
写真撮るのに熱中してないで、もっとこういう時間持とうよ、とツアーの皆様には言いたい。



それから、またしてもじゅうたん屋さんにつかまった。今度はおじさん。
私がアクサライまで歩くよ(40分位かかる)と言っても、一緒についていくと言う。
もう好きにしてって感じで郵便局に向かう。私は地図を見ながら確信を持って歩いているのに、おじさんは勝手に道行く人に道を聞いては「あっちです」なんて言う。知ってるってば。
で、郵便局に着いても裏口っぽい所を指差して「こっち」なんて言う。私が「えー?違うんじゃない?」と言っても「こっち」と食い下がるので渋々着いて行くと、やっぱり裏口で入れない。遠回り。
中に入って切手のカウンターに並んでも「そこじゃないよ、あっち」と言う。今度は頑として動かないでいると、私の前に並んでる人に何やら聞いて、
「あなたの言ってること正しかった」



その後も、テレホンカード売り場探してるとまた「こっち」と言う。しかも”テレホンカード売り場→”という立て札とは違う方向を指さして。
「えー?違うよう」と言うと、周りにいた人にまた何やら聞いて
「またあなたの言ってることが正しかった」
なんともハタ迷惑なおじさんだ。



「あなた、イスタンブルに住んでる私よりイスタンブルに詳しいね」
そういう問題じゃないと思う(^^;


しかし、おじさんはまだ挫けずについてくる。
次はエジプシャンバザールへ。
グランドバザールのように入り組んだ迷路のようなところを想像していたけど、ただの一本道だった。
でも、並んでるお店は楽しい。各種香辛料に、ナッツ類、トルコ菓子やドライフルーツ。
お茶もいかにも体に悪そうな原色の粒々。サラミ屋さんもあったなー。
観光客相手じゃない店がほとんどなのでお店のお兄さんに声を掛けられるのも、たまーに。
ビン入りのりんご茶を買いたい衝動にかられたけど、5年前のようにしけらせてしまうのが関の山と、我慢。重そうだし。
エジプシャンバザールを抜けると目の前には金角湾。おじさんは
「ここがカラキョイね」と言う。「あれ?エミノニュじゃないの?」と言うと黙ってしまった。地図を見るとやっぱりエミノニュ。カラキョイは向こう岸。
まぁ、騙そうと思って言ってるわけじゃないだろうけどね。



港では、波にもまれる小船の上でおじさんが鯖を焼いている。「おお、これが鯖サンドね」と一つ買ってみる。
おじさんは、「私ベジタリアンだから魚食べない。肉も鳥も食べない」と言ってる。本当は単におなか減ってないか、魚嫌いかどっちかじゃないか、と私は思う。
鯖サンドは玉ねぎがどっさり入っててづーんとくる辛さ。鯖はおいしいんだけど…。他の鯖サンド屋さんを見るとレタスどっさりのとこもあるから私はまたしてもボンバの時と同じ失敗を繰り返したらしい。
さらに歩いて橋渡って向こう岸に行く、という私におじさんはとうとう根負けして
「私、人と会う約束あるからそろそろ帰るよ」
とじゅうたん屋の名刺を差し出した。
「あなた、今日夕方7時に私の店に来て一緒にディナーを食べに行く。私待ってるから絶対来てね。わかった?」
うんうん、わかったわかった、と鯖サンド頬張りながら生返事する私を残しておじさんは去った。
……本当に私が行くとでも思ってるのかなぁ?


そして金角湾にかかるガラタ橋を渡る。
釣りをするおじさんがズラリと並んでいる。
見ていると小さい魚が鯉のぼり式にいっぱいかかってる。……売るのかな、これ。
ここでも足を止めると不思議な気分になる。のんびりと釣りを楽しむおじさん達の横をクラクション鳴らしながらすごいスピードで車が走り抜ける。背後にはごちゃごちゃ雑然とした街と、でーんとそびえるモスク。
ちぐはぐなようで奇妙に調和が取れてる感じ。なんか漠然とすごいなぁ、イスタンブルって。



それからまた徒歩でアクサライに向けて歩き出す。今日はよく歩いたなぁ。9:30から6時間歩きずめ。
途中ラーレリあたりでお兄さんに声を掛けられた。ラーレリくんだりまでじゅうたん屋さん?と思って
「じゅうたん屋さんですか?」と聞くと
「いえいえ」
「あ、じゃあガイドさんだ」
「いえいえ、違います。私、ホテルのレセプションしてます」
おぉ、ホテルの客引き?と思っていると差し出された名刺のホテルは3つ星。
「わぁ、3つ星だ。高いんでしょ?」
「えぇ、シングルで50ドル」
「そんな高い所、私泊まれませんよ」
「いいんです、私はただ、日本語を教えて欲しいだけ。私の友達、東京のイスタンブルレストランで働いてます。私も日本に行きたい。だからあなたに日本語習いたい」
怪しいなぁと思っていると
「私、じゅうたん屋でもガイドでもないよ。疑うならその名刺の電話番号に電話して聞いてみてもいい」
「いいよ、そこまでしなくても」
「とっても新しくて綺麗なホテル。なんなら今から行く?」
結局、3つ星ホテルのお兄さんは私が泊まっているホテルの前までついてきて、(だって帰ってくれないんだもん…)
「明日の朝、9時に僕のホテルに来て。朝食はホテルでただで食べさせてあげる。明日は夜勤だからあなたのボスポラスクルーズに僕もついていくよ」
とのたまうのだった。
勘ぐりすぎなのかもしれないけど、日本へのツテを掴むために必死な気がしてならない。
なんとか足がかりを作って念願の東京に行ってやる!というような野望みたいなものを感じてしまう。